レシピ本大賞、一次選考を通過しました!『全196ヵ国おうちで作れる世界のレシピ』 2018/07/02

「料理レシピ本大賞 in Japan 2018」にエントリーしていた『全196ヵ国おうちで作れる世界のレシピ』ですが、一次選考通過のお知らせをいただきました!

http://recipe-bon.jp/?page_id=2991

もしこの本が大賞をいただき、多くの人の手に渡れば、著者の本山尚義シェフの「食で世界を平和にする」夢にも一歩近くなるのではと思っています。

レシピ本からあとがきを抜粋しました。ぜひ読んでいただき、よろしければ応援していただけたら嬉しいです!

 

あとがき(『全196ヵ国おうちで作れる世界のレシピ』より抜粋)


料理で世界を平和にする? 

料理はお互いを知るツールになる。 30ヵ国を巡る海外修行の日々の中でわたしはそう思いました。 

海外で人に出会ったときに仲良くなる、 わたしなりのコツをお教えします。最初は会話がまったくなくても、まずは 「どこの国から来たの?」と聞いて、わ たしがその国の料理の名前を言うと、 

「何で知ってるの 」という感じでテンションが上がります。「食べたことあるの?」と聞かれたら、「実はつくったことある」と言ったら、さらに盛り上がっ て、もう友達です。料理という入り口 が仲良くなるきっかけになるんです。 

インドでチキンバターマサラを教えてくれたシェフ。 誰もが認める一流の料理人でした

今、この瞬間の地球を想像してみてく ださい。パッと想像したときに、いろ んな国があって、そこで暮らすいろんな人々がいます。
日本が朝の9時なら、 シンガポールでは朝7時、インドでは 朝5時でちょうど日が登るころでしょ うか。サウジアラビアでは午前3時、 ちょうど夢の中。イタリアは午前1時 で、ベッドに入った頃かもしれません。 ニューヨークでは前日の夜 19時でちょ うどディナーの時間です。 

世界は広くて美しいです。しかし、今 この瞬間にも紛争中の地域があったり、 いがみ合う国があるのもまた事実。自 分に置き換えても家でケンカしてしま うこともあります。
そういった争いが まったくない世の中をつくることは、 たしかに難しい。戦争をしたり、殺し 合ったり、そんな現実はとても悲しい ことです。 

「みんな同じ地球で暮らし、今という時 間を一緒に生きている人間同士なのに、なぜ?」わたしは小さい頃からそう思っ てきました。
大人になってからも、料 理を修行するために世界中を旅して、 貧困や飢餓、差別なども目の当たりに して、さらに心が激しく揺さぶられま した。
でも自分が政治家になったり、 スーパーマンになるなんてできないし、 そんなことで解決する問題でもありま せん。わたしは、差別や争いなどの問 題はやさしさや思いやりのこころで解 決できると信じています。
しかし、単 に「思いやりを持ちましょう」と呼び かけたところで、効果がないことは目 に見えています。それならどうしたら いいのか? 

マザーテレサがつくったコルカタにある「死を待つ人々の家」 という施設でシスターたちと一緒に

スリランカで知り合った宿のスタッフたち。 気さくな彼らですが、民族間の対立に直面していました

つだけわかっていることは「料理で 興味を持ってもらうことはできる」と いうこと。五感を使って食べる料理は、 その国のことを知るためのとっておき のツールになるのです。
「暑い国だから こんな工夫があるのか」、「現地でもこ うやってコトコト煮込んでいるのか」。 料理から気づかされることって実はた くさんあります。一旦興味を持てば、 やさしさや思いやりのこころを持つの は、そう遠くないと思うのです。 

食って、人にとってもっとも身近なも のであり、重要なものです。わたしは 料理を紹介することを通じて、お互い に助け合える世の中になるよう努力し ていきたい。
この思いは今も昔も変わ りません。 

なんでこんな 大変なことばっかり 

料理の力を信じて、今までいろんなこと にチャレンジしてきました。
2年間で世 界の料理をすべてつくる「世界のごちそ うアースマラソン」や、1万 2千個を完 売させた阪神・淡路大震災 年チャリティスープ「MERRY SOUP 」、前回の 紀行本はレストランを切り盛りしながら 1年かけて執筆しました。
そして、集大 成となるこのレシピブックをつくるため のクラウドファンディング。 

よく、こんな質問をされます。「本山さん、 なんでこんな大変なことばっかり、たく さんできるんですか?」それはきっと、 自分を試しているのだと思います。
自分 でハードルを上げて、無理そうなことで も、やってみる。
「これがやりたい」という、 ちゃんとした目標を掲げて、ひたむきに やっている姿を見せたら、人って共感し てくれるとわたしは思っています。
そう することによって人は集まってくるし、 わたし自身も「世の中って捨てたものじゃ ないな」と思える。 

MERRY SOUP プロジェクトの仲間たち。 レストランを閉める際に集まってくれました

海外を巡っていた修行時代でも、現地の方からしたら突然、全然知らない人が来て「料理を教えてください」と言い出すのも本当は無茶な話。
でも熱意が通じた ら、協力してくれたり、応援してくれた りするんです。わたしは自分の人生で「世 の中捨てたものじゃない」ということを 実証したい、実証するためにやっている 気がします。 

今、世界の現状は、テロが起こったり、 難民が増えたり、いろんな戦争が起ころ うとしています。
日本も例外ではなく、 ロシアと北朝鮮の関係によっては戦争が 起こってしまうかもしれない。
今こそみ んなが平和を感じて、そのためにお互い を知る努力をするべきときではないで しょうか。
そのきっかけにいろんな国の 料理をつくってみて、お互いの食卓を知 るところから始めてみませんか。 

料理は人類の生きた証 

これだけたくさんある料理ですが、世 界の中にはどんどん消えていっている 料理もあります。 

食材にしていた農作物が栽培されなく なったり、あまり食べる人がいなくなっ て消えていってしまったり。
太平洋の ある島では、中国の支援が入ってきた ことで、もともとあった料理が味の濃 い中華料理に負けてしまいました。
み んなが中華しか食べなくなり、島の料 理はほとんど食べられていない場所も あります。 

今回つくった196 の料理というの は、もしかしたら10 年後、20 年後には 違う料理になっているかもしれない。
だからこそ、現在の世界の料理を残し たいという気持ちが今回のレシピ本づ くりにはありました。
今この瞬間も現在進行形で世界の人々 がつくり、脈々と受け継がれている料 理。それは、わたしたちが生きてきた 証拠でもあります。
その国の文化や歴 史、環境、すべてが合わさって、その 土地の料理になっている。
この 196のレシピは「わたしたち人類の歴史」 とも言えるのではないでしょうか。 

講演会では旅の話をまじえ、食を通することで 違った世界の見方があることを伝えています

あなたと同じように、世界のあちこち で、この本に載っている料理をつくっ ている家庭があることを想像しながら、 台所に立ってもらえたら幸いです。
そして、繰り返し料理をつくってもらい、 国名にかかわらず、「あっあれ食べたい」 というぐらいに定番メニューになれば 嬉しく思います。 

最後になりますが、料理を通じてつな がったすべての人たちや、どこの馬の 骨かわからないわたしの拙い言葉に辛 抱強く付き合い、料理を教えてくださっ た現地の方たちに心からお礼を言いたいです。
わたしは、あなたたちに教え てもらった料理を今日も大切につくり 続けていますよ! 

ボホーマ ストゥーティ(スリランカ 語で〝ありがとう〞)!