My Room 天井から覗く世界のリアル 55ヵ国1200人のベッドルーム → amazon 


著者:John Thackwray(ジョン・サックレー)
定価:2800円+税
判型:B5ヨコ(たて182 x よこ257)並製
頁数:188ページ
発刊:2018年3月16日
ISBN:978-4-909044-11-2

内容

フランス、スイスなど世界各国で続々出版。「ナショナルジオグラフィック・ポーランド」が絶賛し、いま、全世界で話題沸騰のドキュメンタリー写真集がついに日本上陸!

世界55ヵ国1,200人のベッドルームを天井から写した、壮大な写真集。
格差、矛盾、夢、歴史…ある若きフランス人が6年かけて世界を旅し、世界の「違い」を「同じアングル」であぶりだした渾身のドキュメンタリー作品。

【各界の著名人が絶賛! 】

カメラは天井、だからみんな上を向いている。それが彼らの気持ちのようにも見えるのだ。
都築響一(写真家)

食い入るように見た。さまざまな秘密は、ひそかに暮らしの細部に宿っている。
佐々木俊尚(作家・ジャーナリスト)

世界は多様だ。けれど見上げる顔はみな驚くほど似ている。それこそが「人間」なのだ。
東浩紀(批評家)

部屋には、その人の生い立ちや嗜好、思想が詰まっている。そこを俯瞰すれば、時代や民族までもが見えてくる。「My Room」は、あらゆる壁や天井、偏見を取り払った、来たるべき「OUR WORLD」を、“アート" という魔法で魅せてくれる。
小島秀夫(ゲームクリエイター)

見上げる若者の笑顔が世界の多様な価値観を認めているようだ。
中川和彦(スタンダードブックストア代表取締役)

【目次を一部抜粋】

ドイツ:不法占拠したカラクリ部屋
ボスニア・ヘルツェゴビナ:戦争を知った部屋
イタリア:21世紀の新しい職業の部屋
アメリカ:ゴーゴーダンサーの部屋
ジャマイカ:伝説のレゲエミュージシャンの息子の部屋
メキシコ:刑務所の女性部屋
ブラジル:河の水上に浮かぶ部屋
カザフスタン:最後の遊牧民の部屋
中国:Steve Jobs を目指す起業家の部屋
日本:ロリータファッションの部屋
インド:生まれ変わりを信じる僧侶の部屋
ネパール:雲に隠れた村の部屋
レバノン:シリア難民キャンプの部屋
イラン:男子禁制の部屋
アラブ首長国連邦:ドバイの富豪「エマラティ」の部屋
サウジアラビア:イスラム教徒のお手本部屋
エチオピア:エチオピアの天才少年の部屋
ケニア:マサイ族の戦士の部屋
ルワンダ:歴史的大虐殺から生き延びた男性の部屋
ジンバブエ:鶏小屋のとなりの部屋
南アフリカ:ギャングから足を洗った男の部屋

【解説】

Alain Mingam(World Press Photo Award 1981 受賞者)

John Thackwrayと出会ったのは、2012年のアルル国際写真フェスティバルで、彼は受賞した才能ある若者たちの1人だった。それは「My Roomプロジェクト」の夜明けだった。以来、彼は情熱を冷ますことなく、自らの道をたどり続けてきた。55ヵ国、1,200室を経て、80-90年代に生まれた世代の部屋のドアを開け続けてきた。

「見せたいものだけを見せそれ以外は隠す」という若者の共通分母である「部屋の小ささ」を除いて、同一性はない。彼は、手に届く距離にあるのに「内側」という秘密に囲まれたために見えないものに気づかせてくれる。作家ケルアックのように、各大陸の不思議を斜めに歩きまわり、親密感の裏に「幸せになるには何が必要か? 」という世界を通して不可欠な質問に若い女性や男性がどう答えるかを見出そうとするJohnは、ある意味、実在するドン・キホーテだ。 そんな彼による、私たちの大きな惑星の一世代を、縮小して親密に侵入する ジャーナリスティック作品は注目すべきものだ。

なぜならこれらの写真は、 時に、世界中のテレビ画面という大きなドアを叩き壊すからだ。ここにあるのは、私たちに呼びかける「世界の証言」なのだから。

ケネディ大統領が暗殺されたことで悪名高いアメリカのダラスでは、映画学科の学生Benが、目の前に広げられた火器のコレクションの横で「オバマの新しい火器所持法に反対しています」と一瞬も戸惑わずに証言する。メキシコのチワワでは、麻薬密売者と接触あるKing Warrior 2世が、若者たちに力と暴力の違いを理解してもらうよう嘆願している。撮影においてはいかなる偽りもなく、イランのテヘランでは、粗末な彼女の家の紫のベルベットと同じように、ペルシア人の末裔として誇りで身を覆う美しきElaheが、「私たちは自分たちの国に投獄された心地です。それでも私たちは頭を高く掲げ続けます、いつの日か状況が改善されることを願いつつ」と述べる。

東京、ヴァラナシ、イルクーツク、ニューオーリンズ、バンコク、ボツワナのハボローネ、中国の大理…でJohnは、溢れんばかりの熱意と陽気さを原動力に、いつだって見知らぬ人たちに「部屋」を見せてくれるよう説得し続けてきた。条件は2つ。写真の真ん中にいて、天井につらされたカメラを見上げてほしい、ということだけ。この「トップ・ショット」はトレードマーク化され、共感を呼び、バズの波に乗るにつれて、参加者はソーシャルネットワーキングのおかげで世界中から集まった。

Johnは、まるで三日月から降りてきたサン=テグジュペリの星の王子様を私たちの世界の生息地へ案内し、ルーペで覗かせているような感覚を持たせてくれる。ルーペから見える景色は、服装、装飾、特徴、 人格、血筋に関する誇りと重み、平和や成功への希望の確かな証だ。

Johnの世界に対する知性の幅、そして彼の心と精神の寛大さ。急進するグ ローバリゼーションの夜明けに、彼の「部屋」に関する仕事がどれほど優れたものか私は認めたい。将来、22世紀の社会学者や人類学者は、彼の1 つの世代、1つの若者層のイ コノグラフィー(図象学)を明かしたこと、そしてユニークな写真遺産を残したことに対して感謝するだろう。John Thackwrayという名を、ここに居 た私たちの時代のデジタルメモリーに保存された各部屋に刻み込むように。

写真史と同様に、前進する若き人類への大きな貢献となる二重遺産を残してくれたJohn以上のフラットメイトは世界にいないだろう。

【出版社からのコメント】
ジョン・サックレー氏が、世界中の18歳〜30歳のベッドルームを撮り続けてきた「My Room Project」は、2010年〜2015年の間に行われました。そして、2017年に母国フランスにて出版された作品を邦訳したものが本著となります。ジョン氏は言います。

「持つ者」として、罪の意識から抜け出すことは容易なことではない。ちがい、不平等、他人、これらを考慮することがどれほど難しいものであっても、この本が、それらと向き合い、「持たざる者」を視野に置く手段となることを願う。

この本に出てくる小さなサンプルは、世界の70億の人々に何を教えてくれるのでしょうか。明らかに、100人の写真、または1,000枚であっても、人類全体を描写するのに十分ではありません。芸術、視覚人類学、はたまたジャーナリズムのいずれであるかわからない本著は、しかし今日の私たちの暮らしを未来の世代に示すことができる貴重な資料でしょう。

著者情報

John Thackwray(ジョン・サックレー) 南アフリカ生まれのフランス人。映画監督・写真家。ソニーやコカコーラをはじめとする世界的企業、EUなどのCM制作を手掛ける。2010年より、世界中の18歳〜30歳の若者(ミレニアルズ)のベッドルームを撮影する旅「My Room Project」を開始。結果的に、6年間で、世界55ヵ国、1,200人の部屋を撮影した。2017年、フランスにて『My Room Project Portrait of a generation』を出版。世界の世代のリアルを映し出した同プロジェクトは、ナショナルジオグラフィックやロンリープラネット、ハフィントンポスト、ナショナルパブリックラジオなどに絶賛され、瞬く間に世界各国で話題に。2018年、ライツ社より日本語版『My Room 天井から覗く世界のリアル 55ヵ国1200人のベッドルーム』を出版。